Tさん:50代 男性

就職体験談

事務職に就職

最初は、嫌々通所していた。
前職を不本意な形で、退職することになり、障害認定など到底受け入れられない自分がいた。

目的意識など微塵もなく、ましてや目標さえも見いだせなかった。
何をするでもなく、途中で帰ったこともあった。
今までそれなりにやってきた自負があるので、社会人としての経験も自分より少ない方に、ああだこうだ言われたくないというのも正直な本音だった。
ずっと違和感を抱いていた。
何か見下されているような感覚を持つことも多く、「そこからですか・・・」というようなところもあり、何だかバカにされているような感覚に囚われて、就職という行動に本気に向き合えなかった。

ある日を境に、通所しなくなった。
体が重いとか、気分が優れないとかではなく、前向きになれない自堕落な生活が続いた。
別に、このまま人知れずフェードアウトしても構わないという、あきらめの境地が自分の心の中を占めていた。

それでも、しつこい程までの執拗な毎朝の電話。
何だかんだと理由をこじつけて、「やっぱり、今日は行けません。」という返答。

そういう押し問答が一か月以上続いた・・・毎日。
ある日、そこまで「気にかけてくれている」ということに、何だかわからない、ある種の交錯した熱い思いが、沸々と自分の中に湧いてきた。

そこまでしてくれる気持ち。 
これには、何か応えるべきではないのか?

腹を括った。
まず、プライドを捨てることから始めた。

そして、自分なりの「五つの誓い」を立てた。
ひとつ、素直になること
ひとつ、謙虚になること
ひとつ、受け入れること
ひとつ、泥臭くなること
ひとつ、諦めないこと

そう自分に言い聞かせ、不断から心に留めてきた。

不思議と、ちょっとずつ何かが変わってきた。

スタッフさんが、とある企業のミッション事業に推薦してくれた。
その気持ちに応えたかった。

それから、ほぼ休むことは無くなった。

心のどこかで、人との触れ合いを求めていたのかもしれない。

そして、スタッフ皆さんの本気の気持ちに応えたいという思いで、
自分なりに汗をかき、試行錯誤を繰り返してきた。

まだまだ社会との関わりの中に身をおいて、仕事を通じ、これからもひと花もふた花も咲かせたいと思っている。

これといった意思もなく、
半分、騙されるような形で、入所することになった「トランジット札幌」。

卒業したら、トランジットで関わってきた全ての人との関係を一切断つと決めていた。
でも、それは、到底できそうにない。

問題児で、ダメダメな自分を、最後まで決して見捨てることのなかったスタッフの皆さん、
今では、感謝の念しかありません。 
ありがとうございました。

そして、在籍しているメンバーの皆さん、
皆さんの次なるステージでのご活躍を願ってやみません。
お世話になりました。